トップ «前の日記(2013-09-12) 最新 次の日記(2013-09-30)» 編集

渋谷の税理士日記

2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|

企業向け減税 - 法人税、復興特別法人税など

企業向けの減税について

こんにちは、渋谷の税理士です。ここのところニュース等では、政府が検討している法人税など企業向けの減税、特に復興特別法人税の撤廃のことがずいぶんと話題になっています。これは政府が、来年4月の消費税増税の経済への影響を緩和するために検討している経済対策の一環として、14年度末まで存続が予定されている復興特別法人税を1年間前倒しして13年度末で廃止しようと言うものです。

新聞等によれば、全体として5兆円規模で予定している経済対策の内、企業向けの減税措置に1.2兆円、その内復興特別法人税の廃止によって9,000億円、設備投資関連の軽減措置で3,000億円を予定していると言う事です。

復興特別法人税とは、会社など法人が決算時に黒字を出した時に発生する法人税の10%を別個に追加して課税すると言う税金なのですが、われわれ税理士の顧問先に多い中小法人の場合、景気回復の影響がまだまだ及ばず、赤字の決算でそもそも法人税の税額が発生せず、従って復興特別法人税も税額が発生しない事が多いです。そこでわれわれの実感としては、これが廃止されてもされなくても大して影響はないのではないかと、つい思ってしまうのですが、やはりそう簡単に考えてしまうのは良くありません。

そこで復興特別税(復興特別法人税・復興特別所得税)による税収としては、どれくらいの金額が予定されているのか調べてみますと、13年の歳入予算では約1.22兆円(復興特別法人税9,100億円、復興特別所得税3,100億円)という金額とされています。思ったよりもずっと大きな金額になっているのですね。これはどういう事かといえば、復興特別法人税の計算の元になる企業の納める法人税の額もそれだけ発生する見込みができると言う事になります。まだまだ黒字で納税する会社も随分あるようですね。

さてそうすると復興特別法人税の廃止によってこの9,100億円の税収がなくなるわけですから大きな税収減になります。これら復興特別税の税収は、東日本大震災復興特別会計に組入れられる事とされているのですが、大丈夫なのでしょうか。この点については、2012年度の(法人)税収の上振れが約7,700億円あり、13年度もさらに多くの税収が見込まれるので、これらの果実を(復興財源に)充てることで1年前倒し(で廃止)することは十分に可能だ、と説明されています。確かにこの計算によれば、前倒しの廃止もできると言うことになるでしょうね。さらに法人税を初めとする法人関連の減税の必要性から言っても、この前倒しの廃止は決して間違ってはいないと思います。

Last Update: 2013-10-13 15:44:25

トップ «前の日記(2013-09-12) 最新 次の日記(2013-09-30)» 編集